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「逮捕で幻に」1980年ポール・マッカートニー+YMO東京セッションの真相が高橋幸宏の証言で明らかに

投稿日:2019年9月20日 更新日:

ラジオ日本「THE BEATLES 10」で、逮捕で幻となったと言われている、ポール・マッカートニーとYMOとの共演についての真相が、高橋幸宏のコメントともに紹介され真実が明かされている。

ポール・マッカートニーの「Frozen Jap」(フローズン・ジャパニーズ)に触れたリスナーコメント

「もしあの一件がなかったら、ポールはYMOと共演というプランが実行されていたかと思うと…『McCartney II』密かに好きです」

1980年1月幻のポール来日の裏で計画されていたYMOとのセッション?

カンケ:リスナーは解ってますよね「Frozen Jap」と『フローズン・ジャパニーズ』と書いてきている。最初の初盤が80年に出た時はまさにポールが捕まって…「あの一件」とは、まあみなさんご存知の1980年のポール・マッカートニー来日、そして逮捕という一件なんですけど。

その後に帰国して出したアルバムがこの『McCartney II』なんですよ。で、その時にタイトルは本来は「Frozen Jap」(フローズン・ジャップ)なんですけど、逮捕された腹いせにと取られる可能性が高いと思って日本盤だけ「フローズン・ジャパニーズ」と直して出したんですよ。

僕、家にあるアナログは「フローズン・ジャパニーズ」って書いてます。今では「フローズン・ジャップ」だと思いますけど。

これ何回か「ビー10」で話したと思いますけど、ポールはテクノアルバム、1人宅録テクノアルバムでシンセとかガンガン使ってるんですけど、それも不人気の1つだったと思うんですけど。

当時、まあポールはビートルズの頃から前衛音楽に一番最初に興味を持っ手を付けはじめたのはポール。でジョンが「Revolition 9」をやる頃には「もうそれ古いから、やらなくていいよ」とポップスとかそっちの方に転換した頃、早いんですポールは。

でYMOが世界を席巻しはじめた頃、やっぱりポールも、もれなく聴いていてYELLOW MAGIC ORCHESTRAですね細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏お三方の世界に誇る日本のテクノポップグループなんですけども、それを聴いていたっつーんだよね。

それに感化されて、それとか前衛音楽とか色々なものに感化されて、コンピューター、シンセサイザーを駆使してその『McCartney II』というのを宅録したと。

でポールからの切望とかもあって、来日する訳だから日本に、「YMOとセッションを演ろう」と。 セッションのスタジオも用意されていて、だからポールが逮捕されなかったら、YMOとポール・マッカートニーはスタジオで共作していたのかもしれないという。

夢のような話がここ何十年も、ビートルズ・ファンとYMOファン、YMOファンもめちゃくちゃコアな人たちが多いですからね…

「ナイアガラ」「YMO」関係はですね、ビートルズ宇宙と同じくらい広い宇宙を持っている、そこでね、ずっと言われてきたんですよ。「セッションあったら凄かっただろうな」と思って。

でも、「いやいや、そんなことはなかったよ」という関係者の証言もあったりするんです。ずっとミステリーなんですよ。

噂の真相を高橋幸宏本人に直撃

で、色々なところを調べても色々なことが書いてある「いや、それは予定されていたんだ」と、片や「そんなものは予定されていない、ただの噂だ」と、さっき凄いモヤモヤして高橋幸宏さんに直接連絡して(笑)。

連絡したんですよ「これ本人に訊くのもね…ちょっとアレかな」と思ってね、連絡したんですけど、ちゃんと答えてくださってですね。

ええ、それは噂だけです。実際は当時ポールとともに、割り合い親しかったミカがスタジオに来た時に、「ナイス・エイジ」(NICE AGE)というレコーディングの時に来て「ポールがそういうふうに言っていたんだけど。入国できなくなっちゃったんで」ということを伝えたそうですよ。

せえしよおゆうこ:このミカというのは?
カンケ:サディスティック・ミカ・バンドのミカさんです。「タイムマシンにお願い」を歌っているあの人です。

今は料理研究家ですけど、彼女は実はポールだけじゃなくて、ビートルズにも縁のある『The Beatles』(ホワイト・アルバム)の時にジョージ・マーティンが、もう嫌になっちゃって休暇を取って若いプロデューサーに任せて「ホワイト・アルバム」の制作、途中でいなくなっちゃう訳ですよ。

その時にジョージ・マーティンに任されたのが「Piggies」でチェンバロを弾いているクリス・トーマスというプロデューサーで、彼が見事にその役割をやってのけたんですけど、その後にピンク・フロイドですとか、セックス・ピストルズとかですね。

…でウィングスもプロデュースするんですよ彼は、その時に直近のアルバムがクリス・トーマス・プロデュースだったんで、その時のツアーも一緒に回っていたんですね。

「ビートルズがもの凄いブレイクしていた時にジョージ・ハリスンなんて「あと、何年だ。あと3年〜5年歌えたらいい」とか言ってたんだから…」(矢沢永吉)

密かにYMO『増殖』に残されたポール・マッカートニーの痕跡

で、その奥さんがミカさんなんですよ。サディスティック・ミカ・バンドの、元・加藤和彦さんの奥さまです。との当時はクリス・トーマスの奥さんだったんです。で、ポールと共に行動していたんですよ。

だから一緒に日本に来日すると。でもポールは入国ができなかった、そのまま捕まってしまったんで、ミカさんはその足でリンダとも交流があったので、そのメッセージを持ってYMO、ここも仲のいい人たちなんで、YMOの「ナイス・エイジ」のレコーディングに行って「これポールがこう言っていたけどね。

「一緒にセッションとかしたいなという希望があるみたいだよ」と、でも結局それはYMO側としては受けた訳でもないし、スケジューリングされていた訳でもないし、幸宏さんも「聞いていない」と言っています。それは噂です。

せえしよおゆうこ:なるほど。
カンケ:そういう計画があったんじゃなくて、ポールがそうしたかったというだけです。これも推測のを出ないですが、「ミカさんがそういうふうに言ってたよ」って幸宏さんたちに言ったんだって。

で、そのミカさんが、その時レコーディングしていた「ナイス・エイジ」っていう曲の間奏部分で「22番」というポールの囚人番号というか管理番号ですね。これをアナウンスするというアナウンスをレコーディングしてお帰りになったという(笑)。

だから『McCartney II』とYMOの『増殖』の「ナイス・エイジ」が入っているヤツはセットで聴くべきですね(笑)。
ということで幸宏さんありがとうございました、すいません直接訊いちゃって…。(おわり)

Information

ラジオ日本:THE BEATLES 10

から38年前の今日1980年1月16日、ウイングス初の日本公演ツアーのため成田に到着したポール・マッカートニーが税関で逮捕される(大人のMusic Calendar)

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