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上原ひろみ10年ぶりのピアノソロ作発表(3)やっぱりピアノって本当に素晴らしい楽器というか、無限の可能性がある

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ジャズピアニスト・上原ひろみがJ-WAVEの番組「SAPPORO BEER OTOAJITO」出演回。ここでは10年ぶりのソロ・ピアノ作『Spectrum』について作曲家、演奏者両面から語っている。

ライブを観てすごいと思ったJacob Collier

【クリス・ペプラー】Jacob Collierは仲がいいの?
【上原ひろみ】仲がいいという程ではないけれど、何度か話したことがあるけど、彼はやっぱり「ライヴを観て凄いな」と思った、そのハーモニーとか。

今まで出ている曲をまた新しく生まれ変わらせたりとか。で、一人で全部演る。すごい、いわゆるYouTube世代っていうか。自分で自分の部屋の中で、彼の最初のアルバムも『In My Room』っていうくらいだから。

【クリス・ペプラー】全部宅録だもんね。
【上原ひろみ】宅録で作って、それを発信する人たちがいて、凄いなあ…。
【クリス・ペプラー】それも2回位観たかな、才能凄くあるよね。幾つだっけ、24歳位?

【上原ひろみ】たぶんそうだと思う。
【クリス・ペプラー】ですよね。
【上原ひろみ】こんなに歌がパーフェクトなピッチで歌えたら、気持ちいいだろうなぁ。

【クリス・ペプラー】この人、歌も歌えるし、タイコも叩くしギターも全部できるんでしょ?
【上原ひろみ】全部一人で。凄い。

『Spectrum』は40歳になる1ヶ月前に録って、30歳の音を記録しようと

【クリス・ペプラー】ひろみちゃん、ソロアルバム『Spectrum』、9月18日にリリースされたけど、すげえ久しぶりなんだよね。
【上原ひろみ】ソロ・アルバムは10年ぶり。

【クリス・ペプラー】そうなんだ。
【上原ひろみ】『Place to Be』というアルバムを出してもう10年。
【クリス・ペプラー】あれが白黒のストライプの衣装を着ていたやつだもんね。

【上原ひろみ】10年あっという間だった(笑)。
【クリス・ペプラー】あれ覚えてるよまだ、(東京国際フォーラムの)ホールCで演ったんだよ。

【上原ひろみ】いやぁ、10年あっという間で『Place to Be』を録った時は、30歳になる誕生日の1ヶ月前か何かに録って、20代の時の音を記録しようと思って録って。で、今回は40歳になる1ヶ月前に録って、30歳の音を記録しようという。

【クリス・ペプラー】節目節目で。節目には「ピアノソロという感じにしたいな」ってことなのかな。

【上原ひろみ】ピアノって一人でも完結できる楽器だから、やっぱりピアニストとしては、あるタイミングでちゃんと記録としてピアノ1台の作品を録って置きたいというのはあって。

【クリス・ペプラー】ああそうか、2009年…。
【上原ひろみ】ええ、じゃあ初めて「OTOAJITO」に来てから10年。10周年。
【クリス・ペプラー】10周年だね、乾杯。

【上原ひろみ】あっという間ですな。これはどんどん早くなるんですか?
【クリス・ペプラー】どんどん早くなりますよ。3年前とか「この間さ」とか、絶対そうなるの。3年前に会っても「この前会った時にさ」と、だいたい3年経ってるよ。

【上原ひろみ】いつも、もの凄い早いなと思いながら、自分の出した作品を振り返ってアルバムの数を数えると「うん、経ってる時間」って思う。

【クリス・ペプラー】僕の場合は密度を感じないのよ「早い」って、さあーってただ滑り落ちているというか。ジェット噴射をバックに上がっていくのと、惰性でツルーンと降りていくのは全然違いますから。

【上原ひろみ】じゃあやっぱり適度の緊張を…たまにセッションをすればいいんじゃないかな。私たち。
【クリス・ペプラー】とんでもない、何言ってるんですか。

【上原ひろみ】そうしたら適度に(笑)。
【クリス・ペプラー】いやいやいや、いやいやいや。
【上原ひろみ】こないだの、それこそお誕生日みたいなことを。

【クリス・ペプラー】あの状況は余りにもクワバラクワバラ。でもバンドはやってるのよ実は、俺だってフジロックもう2年演ってるよ。
【上原ひろみ】編成は?

【クリス・ペプラー】ベース、ボーカル私で、ギター2人で、タイコ1人で…(曲がかかる)これ僕…もういいです、歯がゆい。だから頑張ってますよ私も。でもひろみちゃん毎回、アルバムを作る時って「自分で作った曲なんだけど、それを習うの大変」ってよく言ってたよね。「作曲しました。今度そこを自分のモノにするのにまた。

聴いて素晴らしくても、じゃあその人との自分が化学反応があるかというはまた違うところ(上原ひろみ)

作曲家の私がピアニストの私を雇うみたいな(笑)

【上原ひろみ】「自分で曲を書いてるひろみ」と、「演奏しているひろみ」が別人格というか…作曲家の私がピアニストの私を雇うみたいな(笑)。だから最初曲を書いて、カッコいいフレーズだなとか、こういうふうに弾けたらいいなというのを作るんだけど、ピアニストひろみがまだ弾けない。

【クリス・ペプラー】そうすると作曲家ひろみのほうが偉いの?、プレイヤーひろみより。
【上原ひろみ】曲を作ったっていう観点としては、プロデューサーっぽい感じがあって「You Can Do It」みたいな(笑)。

【クリス・ペプラー】ちゃんとこう、プロデューサー・作曲家ひろみが、プレイヤーひろみに「頑張ってね」と。
【上原ひろみ】すごく鼓舞して「演れる」って

【クリス・ペプラー】「2ヶ月びっちり演れば大丈夫よ」って。
【上原ひろみ】それで演って、なんか自分が「できるかも」って感化されて頑張って、だんだんその完成形のイメージに近づいていって。

【クリス・ペプラー】今回はどうだったの? 生みの苦しみ的にいうと前作と、前の作品と比べてどう?
【上原ひろみ】レコーディングって観点でいうと、ソロのレコーディングは、メンバーがいないぶん好きなだけできる。

【クリス・ペプラー】ふーん…。
【上原ひろみ】周りの人の体調とか、休憩とか考えず演りたいだけやれるし、だからずっとアドレナリン出っぱなしみたいな感じで、本当に自分のなかでは攻撃性とか、凄いテンションの高いアルバムになったなという感じはする。

ソロって本当に一人しかいないから、それこそインスピレーションが出なくなったら、もう誰も助けてくれないし、誰かが面白いことを弾いて、それに感化されるということはないから。ずっと自分で、自分だけで探していかないといけないという。

【クリス・ペプラー】その苦労はあるよね。
【上原ひろみ】絶対的な孤独はあるけれど。それが凄く震える。

【クリス・ペプラー】気持ちいい?
【上原ひろみ】やっぱり凄くどこかでリスクが好きというか、シチュエーションがハードになればハードになるほど集中力が高まっていくというか。ピアノと一体化していく雰囲気があって、弾いていてどこからがピアノで、どこからが自分かわからないくらい。なんか、ピアノと作っている感じは、ソロがやっぱり一番感じる。

【クリス・ペプラー】バンドだとアンサンブルっていうだけあって、本当にチームで演るわけだから、そこが全然違うもんね。で11月から年末にかけてジャパンツアーが、11月17日を皮切りに12月末まで行いますけど。

【上原ひろみ】いっぱい公演が。
【クリス・ペプラー】11月17日と12月の13日は、六本木にある近くの全日空ホテルの隣にあるホールでね、12月14日がすみだトリフォニーホールと、12月12日は横浜のみなとみらいホールがありまして。詳しいことは上原ひろみさんのオフィシャルサイトをチェックしていただければ、判るんじゃないかということですよね。

【上原ひろみ】本当にこのソロ・ピアノのアルバムをレコーディングして、きっとこれからライヴもしてさらに感じると思うんだけど、私は本当にピアノが好き(笑)。ピアノって本当にいいものですね。淀川さんになっちゃったけど、本当にピアノが好き。

【クリス・ペプラー】ねえ、それは今回の『Spectrum』を作っているときに感じたの?
【上原ひろみ】どれだけ弾いてても、飽きないし楽しいというのを常日頃から感じるけど、でもピアノだけになって、ピアノの音しか感じないし、誰かに合わせるとか、誰かの上にピアノが乗るってことでもないのに、やっぱピアノって本当に素晴らしい楽器というか、無限の可能性がある。「ピアノってなんでこんなに楽しんだろう」というのを6歳の時からずっと思って。

【クリス・ペプラー】いまだに変わらないと。
【上原ひろみ】ずっとピアノに恋してる、感じ…。
【クリス・ペプラー】素晴らしいじゃないですか。

【上原ひろみ】(笑)本当に楽しい楽器。みんなに薦めたい「ピアノ弾いたほうがいいよ」って。
【クリス・ペプラー】弾けたら弾きたいですよ。

【クリス・ペプラー】そろそろラストになったので、これから曲を選ぶんだけど、さっきジェフ・ベックの話があったじゃん?ジェフ・ベックとThe Whoの話があって、The Whoのオープニングをやったタル・ウィルケンフェルド(Tal Wilkenfeld)って知ってる?

【上原ひろみ】もちろんタルちゃん。ライブに来てくれたことがある。
【クリス・ペプラー】タルちゃんはジェフ・ベックのベーシストとして有名だけど歌も凄い上手いのよ。でこの前ボニー・レイットを観ていたら「タルって令和のボニー・レイットだな」みたいな感じがして。彼女をDon Wasがプロデュースしていて、ニューアルバムが結構いいのよ『Killing Me』という曲ががるんだけど、それでお別れしようと思って。

【上原ひろみ】楽しかったです、相変わらず。(おわり)

ロイヤル・アルバート・ホールの楽屋口に入ったらピート・タウンゼントの写真があって、もう思わず拝んだ(笑)(上原ひろみ)

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