NACK5の矢沢洋子「generock by yoko yazawa」の第2週目。矢沢永吉・洋子の親子対談。今回は歌詞に関する話題です。
【矢沢洋子】今回のミュージックビデオを観せてもらって、ジャケットも見せてもらって。私が言うのもなんですが、年々若返ってるような気がするんですけど、美容とかは気にしたりはしていますか? 美容というか若さというか。
【矢沢永吉】やっぱり喉とコレ関係あるんだけど、ボーカルとねやっぱり睡眠かな。睡眠の意識をすごい高める、食べることと睡眠をちゃんと取るということは意識してるね。
【矢沢洋子】ライブの日とかって私これ訊いたことあると思うんですけど。けっこうパスタを食べる。
【矢沢永吉】あのね、やっぱりステージ2時間半ぐらい前、ちゃんと食べるね。パスタも意識して食べるように、あの持続力。2時間20分ノンストップだからね。
【矢沢洋子】意外と私ステーキとかをバンと食べるのかとずっと思ってたら…。
【矢沢永吉】ステーキも大事ね。大事だけどパスタ、炭水化物のアレは持続力があるね。
【矢沢洋子】ミック・ジャガーもパスタを食べるとか。
【矢沢永吉】みたいね、バナナも食べるし。
【矢沢洋子】こないだも「バナナ食べる」ってミュージックステーションで。
【矢沢永吉】ミュージックステーションの楽屋にバナナが山みたいに着てたよ。
【矢沢洋子】私もそれ見ましたよ勝手に楽屋に入って。なんか多分、昔ボスがどこかの現場で、「バナナでも置いておいてください」って言ったらバナナが好きなんだと業界の人が思ってくれて。
【矢沢永吉】それはね、面白いよ。どこ行っても大福が出る時期があった。どこ行っても大福なのよ。「大福どこ行っても出る」って言ったら、言われてみれば「矢沢さん大福お好きですよね」って言うから「嫌いじゃないよ。嫌いじゃないけど、どこ行っても大福が出るほどバカ好きって訳でもないのに、どこ行っても大福があるから。
やっぱりね、「矢沢は大福が好きだ」ってどこかで誰かが聞いたどうか知らないけど、そのまま「矢沢は大福が好きだ」ってなってるのよ。
「矢沢さん何で詞書かないんですか?」と言われるけど…
【矢沢洋子】 これもよく訊かれていることだと思うけど基本的に作詞はしない。今回も色々な方に歌詞を書いて貰って、凄い音楽への拘りがしっかりあって、知識もあるからこそ、自分で書けばいいのにって訊かれるし、私も思うんだけど敢て…。
【矢沢永吉】いや、敢てじゃないだってば。「矢沢さん何で詞書かないんですか?」と言われるときはスグ言うもん「うん才能がないんだよ」って言うもん。才能というのは理屈じゃないじゃない。理屈じゃなくて才能というのは、降りてきて降ってきてスルスルって出てこないとダメ。メロディは出るの、メロディは自分で言うのもなんだけど僕はラッキーだなと思う「こういうメロディが降ってくるんだ、降りてくるんだ」って判るけど、詞は降りてこないんだもん。
【矢沢洋子】なるほど(笑)。
【矢沢永吉】降りてこないから、無理してオレが書いてもしょうがないじゃん。詞のよくわかってくれる人と組む。山川啓介さん、もう亡くなったけど「時間よ止まれ」いいよね。だって「西風が笑うけれど…」って渋いじゃない。
だからね、たぶん山川さんに「どうしてそういうのが生まれる、できるんですか?」って言ったら「僕、どうしてって言われても困るな、スーっと来るんだよ」って言うと思うよ。それがやっぱりナチュラルだよね。
僕は、うん、それでいいんだよ。今まで西岡恭蔵だとか、ちあき哲也とか、凄い人に出会えてる。
【矢沢洋子】今回もいしわたり(淳治)さん。1、2、3、4、5曲も書いてもらって。半分、アルバム10曲なので。
【矢沢永吉】いしわたりさんは、僕は才能ある人だと思うな。僕は1発目で気に入ったね。
【矢沢洋子】凄いなあ。
【矢沢永吉】で、もの凄いこと細かに「こういう風にやって貰いたい」ってリクエストもあれば、丸投げしてその人から矢沢のメロディを聴いて感じたものがスコッとハマってウワっていうのも。
【矢沢洋子】オーダーしたっていうのも「パセオラの風が」のパセオラの風は経験済みだからね私も。凄くアメリカで住んでいた山が本当にそういう場所の名前で凄い美しい景色のところに私は青春時代を過ごさせいて貰ったから。
【矢沢永吉】そこの僕の書斎からちょうど海が見えるんだけど、海見えるんだけど目の前の小っちゃな通りが「パセオラ・ドライブ」って言うんだよ。
パセオラ・ドライブっていつも殆ど人がいない。たまーに犬連れた人がポロポロポロと歩いているか。たまたまメロディが湧いた時に「パセオラの風が」雨がさーっと降って海が泣いているようにドーンと暗いワケよ。
そうすると人が1人歩いていたかな、ターっと、そうしたら黙っててもタイトルが浮かんだよね。(つづく)