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矢沢永吉×矢沢洋子 父娘対談(1)「もうこれが最後のアルバムにする」っていうのは決してウソじゃない。

投稿日:2019年9月16日 更新日:

NACK5の矢沢洋子「generock by yoko yazawa」に矢沢永吉が初出演し、普段では聞くことのできない矢沢親子対談が実現した。矢沢洋子のラジオDJ歴11年目にして初の父・矢沢永吉登場の理由と最新アルバム『いつか、その日が来る日まで…』誕生秘話を語った。

コメントを貰うつもりが…

【矢沢永吉】でもアレだよね。自分の番組出て欲しいとか言わなかったじゃん全然。
【矢沢洋子】それはこの番組自体は毎回ではないけど、ミュージシャンの先輩だったりとか友達だったりゲストは、もちろん今までも呼んでは来たんですけど、ちょっと…。
【矢沢永吉】水くさいよ。

【矢沢洋子】お父さん呼ぶのはハードル高いかなと、今までもプレミアム・モルツのCMだったりとか、あと去年東京ドーム、京セラドームとかで、本当に1曲だけちょっと『SUGAR DADDY』歌ってという意味での共演はあったんですけど、このトークでのというのは初めてなので、私は何話していいかと意外とこう見えて緊張してるんですよ。

【矢沢永吉】あのね。もうだってキミこのDJやって何年ぐらいになるの?
【矢沢洋子】この番組はもう11年目ぐらいだと思います。
【矢沢永吉】10年も11年もやっているのに1回も「ねえお父さんゲストで1回出てくんない」とか言わないから。全然そういうのは何にも考えてないのかなと。

【矢沢洋子】(笑)。あの、もし「出てくれない」ってオファーを出して断られたらそれはショックかと思って、なかなか言えなかったんです。
【矢沢永吉】(笑)。

【矢沢洋子】今回も、リスナーの皆さんもなぜ今回初めてなのかなという風に疑問に思っている方も、けっこう質問でもそういう感じで来ていたんですけど、もともと何で今日みたい日が実現したかというと。この7年ぶりにねアルバムをリリースするということで『いつか、その日が来る日まで…』。で私が最初ゲストとは思ってなくて、ただせっかくだから「この新譜を何曲か自分の番組でかけられたらな」というので、「何かひと言コメントいいですか?」と言うのを…。

【矢沢永吉】まあ言ったわけだよね。
【矢沢洋子】最初は「コメントKO」という了承を得たら、そしたら電話くれたから。
【矢沢永吉】んー、コメントって言うから「コメント出すんならオレをラジオに出してよ」みたいな感じ? 全然普通だよ。よろしく!

矢沢永吉×矢沢洋子 父娘対談(2)

前作『Last Song』で打ち止めと思っていたら…

【矢沢洋子】私の100倍トークは上手いので、今日は任せちゃおうかなくらいに、まあ思っているんですが…まずアルバムの話。先程も言ったように7年ぶりのアルバム『いつか、その日が来る日まで…』。

【矢沢永吉】いや本当はね。この『いつか、その日が来る日まで…』なかなか渋いタイトルなんですけども、これの7年前が『Last Song』といって、あれで冗談抜きでね、もう打ち止め。「いいんじゃない〜」って結構酔ってました。

酔っててて「オレは十分出したから、もういいよ。最後のアルバムにしよう」ってやってて。やっぱりアレだね、2年経って、3年経って、5年経ったぐらいに、もうね我慢できない自分がいたね。

【矢沢永吉】やっぱりメロディ浮くわけよ。浮くから「おおこれイイじゃん」ってテープレコーダー、今はICレコーダーね。パッと押さえて、もうそれは癖だから。ちょっといいメロディが湧いたら「やべやべえ、すぐレコーダー」って入れる。それが段々たまってきたのもあるし、それと「まだ現役やるぞ」というのはやっていたので、いっていってる内に「たまったなあ。アルバム出そうかな」というのは思ってきたね。

【矢沢洋子】そうだから、今回この全曲もちろん聴いた時に結構覚えてるかなあ…1年半くらい前になると思うけど、家族でハワイに旅行に行った時がありまして。その時にワザワザ日本からハードケースでギターを持って行って、ちょっと向こうで作れたらなという感じで、その時には、制作にちょっとずつ曲をためていた時期であったという。

ミュージシャンのこれで最後はウソをついているワケじゃない

【矢沢永吉】そうね、それと家族で行った時、その部屋に何でか知らないけど古びたピアノがあったんだよね。ピアノ弾けないんだけど、ほら鍵盤のコード位は弾けるから「ガーン、ガーン」と弾いて遊んでいたら、今回の『いつか、その日が来る日まで…』の最後の曲。あのメロディーがワッと湧いたんだよね。

「あれ、これイイんじゃん。ちょっとICレコーダー、ICレコーダー!」って言ってワーっと押さえて、たぶんバタバタっと出来たよね。それ出来てハッキリしたのかな…「アルバム作ろう!」と思ったのかね。

【矢沢永吉】それからアルバム作りはじめて、ただ今回のコンセプトは「いついつまで納期を決める」というのを敢てやめて。
とにかく、なんつーのかな、アレンジのことも何のことも含めてプリプロダクションの段階から、何ていうのかな、普通だったら曲固まってデモテープ作るためにスタジオに入るんだけど、もうね中には全くメロディも何も浮いてないのに「さーて今日はどうする?」ってデモを作る部屋でエンジニアと僕しかいなくて。

よし、じゃあちょっといいからマイク立てて。何でもいいからどうしようかな、んーっとギター持ってきてダラーンとやってる内にメロディがフッと湧いたらそこから先を進めていくとか。もう1年7ヶ月かかったね。

【矢沢洋子】今回タイトルがもう『いつか、その日が..』って言っちゃってるし、メディアの宣伝文言とかも「これがもしかしたら矢沢永吉最後のアルバムかもしれない」みたいな感じで。

【矢沢永吉】「やたら最後、最後と言ってるのはどういうことだ!」って書いてるから、わかったわっかった、ココで言います。

あの、アーティストはミュージシャンは、「これが最後だ」という風に言いたがる、じゃないんだよ。やっぱりそのぐらいの感覚を持ってるんだよね「もうこれが最後のアルバムにする」っていうのは決してウソじゃない。

それぐらいの熱の入れよう、熱の入れようだけど、もし身体が満足で元気で、まだライヴ、街から街行けるんだったらね、絶対止められないと思うよ。また「コレ出す」ってのがそのうち湧いてくると思う、まあそれがミュージシャンだと思うのね。

皆さん決してウソ付いてるワケではありません。(続く)

矢沢永吉×矢沢洋子 父娘対談(3)

Information

過去のアーカイブはNACK5のポッドキャストで聴いてみてください。(過去の番組はiTuneのポッドキャストでも聴けます)。
この後もレアトーク満載です。

generock by yoko yazawa

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