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坂崎幸之助とタブレット純が語るグループ・サウンズの世界(1)日本で初の女の子のための音楽・夢物語で少女趣味がGSの特徴

投稿日:2019年10月7日 更新日:

JFN系『坂崎さんの番組という番組』に芸人のタブレット純が出演。著書『タブレット純のGS聖地純礼』(星雲社)やGSとの出会いなや著書にまつわるディープ過ぎる裏話を披露した。

グループ・サウンズの聖地を巡る本「タブレット純のGS聖地純礼」

【坂崎幸之助】今週の坂番はGS研究家としてグループ・サウンズだけじゃないんですけどね。ムード歌謡も研究していますフォークも研究していますけど。タブレット純さんでございます。

【タブレット純】よろしくお願い致します。
【坂崎幸之助】本が出ましてね読ませて頂きましたけど、文才もありますね。
【タブレット純】本当ですか?

【坂崎幸之助】結構難しい言葉を使ってるんですよ。内容的には、勿論くっだらない世間話のときもあるんですけど、あとダジャレがあったりするんだけど。あの節々にちゃんとした言葉使いといいますかね。難しい言葉も使って。

【タブレット純】読んでくださったんですね(笑)。
【坂崎幸之助】読ませていただきました面白かったです。すっごい。あとここの編集の山中さんが結構イジられてて。

【タブレット純】(笑)。あのイジるつもりは無かったんですけど、非常に2人で貧乏旅行というか、全然経費が出ないので…。
【坂崎幸之助】この山中さんの出版社の「山中企画」の社長さんなんですか?

【タブレット純】もともと放送作家の方で、お笑い畑の方なんですけども、けっこうお笑い界では名のある方なんですけども、前に永六輔さんのラジオでレポーターなんかも半タレントみたいなこともされていた方で、いかんせんお金に非常にしみったれ感が(笑)。マクドナルド以外打ち合わせしませんという方だったので。

【坂崎幸之助】この本は基本的にグループ・サウンズの聖地をね、巡ると。タブレット純がやっぱり自分の青春時代というか。後追いではあるんだけどグループ・サウンズにハマって。

【タブレット純】完全に後追いではあるんですけれども、でも思春期の殆ど全てを結構ムードコーラスとかもそうなんですけど、GSが一番、まだCD化とかされていない時だったので。自分で中古レコード屋も足繁く通って、なおかつGS研究家の、亡くなった黒澤進先生と文通をしながら、それでカセットテープに録って頂いたり、でも当時GSが好き、そういうのが凄い恥ずかしくなって、中学位で…。

グループ・サウンズの権威・黒澤進と文通をする

【坂崎幸之助】誰もいないよね。でも好きなものは我慢できないと。
【タブレット純】そうですね。本当に生きがいのように、黒澤先生に対しても、実は偽名を使って(笑)。何故か「土橋渡」って名前で、60歳くらいの男だという。別に黒澤先生の前で偽ってもしょうがなかったですけど。

【坂崎幸之助】年齢も隠して。
【タブレット純】「貸しては貰えませんでしょうか?」とそういう口調でずっと、黒澤先生はずっとそれを信じてたようなんですけど。凄い気味が悪かったと、それはそれで気味が悪かったと。

【坂崎幸之助】でそれで、どっかでバレたんですか? 亡くなるまで?
【タブレット純】だいぶ後になって、自分がその時はぶっちゃけて、だいぶ黒澤先生の晩年、一緒に会ってお酒を飲む仲になって「あれが君だったのか…」という。その当時は悩んでいるぐらいだったのが、なおさら凄い深い友情に…という感じだったんですけど。

【坂崎幸之助】そうだ今「ボタンさん」というラジオネームさんから「タブ純さんか9月にまた本を出すようで、ぜひゲストに呼んでください」と来てますから。夢叶いましたけどね。

【タブレット純】うれしい。
【坂崎幸之助】そうグループ・サウンズということですけど。まあこれをラジオで聴いてる人でね。まだわからない人がいると思うんだよね。

【タブレット純】Alfeeがちょっと前に「KanLeKeeZ」というのをやってね
【坂崎幸之助】これでGSを知った人も若い人でいるとは思うけど、それ以降にもAlfeeに興味持ったりとかね。そういう人もいるから。

【タブレット純】KanLeKeeZで「GSとはなんぞや?」というのが割とパロディだけど、集約されている感じは凄くあって。

僅か3年のブームだったグループ・サウンズは「少女の為の初めての日本の音楽」

【坂崎幸之助】グループ・サウンズの特徴というか1番年代でいうと67〜68年がピークでしょ?

【タブレット純】そうですね。本当に3年も持たずというか、ピークでいうと2年間くらいだったという。
【坂崎幸之助】68年までか。バンドでGSがってアイドル的な要素は必要なのかな?

【タブレット純】そうですね。僕は後追いとして、最初スパイダース(The Spiders)がGSの起源だとすると、ビートルズをはじめとする洋楽の要素をかまやつ(ひろし)さんもハッキリ「これはここのパクリだ」ってKinksの…それぐらい洋楽を日本に伝えるものであったような形態が、タイガースの出現でいつの間にかワケの判らない方向に。「君だけに愛を」とかでジュリーの指差しポーズで、みんな熱狂してもう少女の音楽になったという。

【坂崎幸之助】やっぱティーンエイジャーですよね?
【タブレット純】なんかある方が分析して、それまで女の子のための音楽というのが日本に、実は明確なものが無かったと。

青春歌謡とかでも、みんなでフォークダンスみたいなことは男子・女子みたいなものが完全に乙女だけの音楽というか。

それに特化したのがフリーエージェント制の作家制だというか、今までは専属制だった作家の吉田正先生とかそういうのがあったのが、橋本淳さんという作詞家の、その方が書いた詞がかなり内容が無いと言えばあれなんですけど、かなり異国情緒、夢物語で少女趣味であったり、これがGSの特徴…。

【坂崎幸之助】僕らも橋本淳先生に書いて頂いた曲がありますもんね。「或いはノイシュバンシュタイン城の伝言」か…。あのね(アルバム)『三位一体』に入ってるんだよね。

【タブレット純】ああそうか…。
【坂崎幸之助】KanLeKeeZの後に、そうなんですよ。
【タブレット純】橋本淳さんにしか書けない。

【坂崎幸之助】橋本淳先生はレコード会社を越えてって感じですね。
【タブレット純】そうですね、専属制というのが、無かったために色々なGSに書けた、ブルコメ(ブルー・コメッツ)の「ブルー・シャトウ」も、どこの国を書いたのか判らない(笑)。
【坂崎幸之助】確かに抽象的だよね。

【タブレット純】抽象的な、これは橋本先生にしか書けない世界が見事に、うつつな少女の心にハマったんではないかなという。

【坂崎幸之助】それはタブレット純の夢うつつな時代にハマった訳でしょ?
【タブレット純】僕も小学生の時にタイガースを、当時ドリフターズの映画がけっこうテレビで地上波でやっている時に、『(ドリフターズですよ!)前身前身また前身』という映画があって、何の脈絡なく同じナベプロということで人気がもの凄いで始めた頃に、タイガースがバッと出てくると「これは何だ」と思って。

ジュリーは勿論当時スターだったんですけど、ジュリーがバンドにいたというのを知らなかった世代で、凄く美しい歌でもあるし、このジュリーが美しい「なんだこれは」と、ショックを受けまして。その時に歌っていたのが「モナリザの微笑」という。

【坂崎幸之助】じゃあそれを聴きましょう。(つづく)

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