かきおこしラボ

ラジオで紹介された音楽を深掘り〜聴き放題サブスク用ライナーノーツ風ブログ

MUSIC

坂崎幸之助とタブレット純が語るグループ・サウンズの世界(2)いつの間にかムード歌謡化していたGS

投稿日:

JFN系『坂崎さんの番組という番組』に芸人のタブレット純が出演。

著書『タブレット純のGS聖地純礼』(星雲社)の紹介はさて置き、タイガースのGSブームを体験している坂崎と後追い世代のタブレット純が、GSブームについて語った。

「ザ・タイガース」グループ・サウンズの代表するグループは内田裕也と活動していた

【坂崎幸之助】今日はですね出版されたばかりの、タブレット純さんの「GS聖地純礼」を教材に、GS研究家のタブレット純さんに講師として、GSを勉強しようと。

でもね「モナリザの微笑」は俺らね中学のときなんですけど、ちょうど僕ね初恋の堀越さんがね、7組だったんですけど。僕ら2組だったんですけど、教室が上と真下だったんですよ。

堀越さんは上の教室で、僕は下だったんですけど。窓から上の教室を覗くと、上も覗いてた人が最初堀越さんだったの。「きれいな人だな」と思って、そこで初恋があったんですけど(笑)

この「モナリザの微笑」はちょうどその頃の歌で、だから俺もうね、この曲を聴くとね2年7組を思い出す。雨がしとしと日曜日 僕は一人で君の帰りを待ってるんですよ。このね…。

【タブレット純】思春期の何か気持ちとぴったりハマるような、僕も小学校5〜6年だったんですけど、その当時の全然世代は違うのに一気に教室の匂いとかまで、出てきてしまうという。

【坂崎幸之助】それって沢田研二さんはもう「TOKIO」とか「ダーリング」とかも出してた後でしょ?
【タブレット純】僕が見てた頃は後ですね。

【坂崎幸之助】だから大スターの沢田研二さんが、元いたグループということで。
【タブレット純】それは結構びっくりしまして。
【坂崎幸之助】グループ・サウンズってのがあったというのは何となく知ってたの?

【タブレット純】幼稚園くらいの時に日劇が無くなるっていうのが、特番をやっていたのはボンヤリ覚えていて、その時もさすがに幼稚園だったので、そこから何となく覚えていたのかなという感じだったんですけど。

完全にその時代のジュリーの姿を見たというのは、それが最初でその映画では加トちゃんと大原麗子さんがその演奏の前でチークダンスを踊るという、シュールなシーンがあって(笑)。

【坂崎幸之助】本当? 大きいハーモニカを(森本)太郎さんが。
【タブレット純】太郎さんが電子ハーモニカでその絵が凄い切なくて、メロディがやっぱり美しいすぎやま(こういち)先生のメロディが美しいなと。

【坂崎幸之助】これはもうグループ・サウンズの当然代表曲というか、そのグループ・サウンズがいわゆるティーンエージャー・女子に特化した…。

【タブレット純】最初はタイガースも男性の、男子のファンも…本にもちょっと書いたんですけどサウナで知り合った大丸さんという方が8000円でお部屋を貸してくださっていて。

昔下宿を親がやられていたんで、その部屋をレコードの部屋がなくて困っていたんですけど、「タダでもいい」と言ったんですけど、お気持ちだけということで。

【坂崎幸之助】凄いねえ、それ。でも本当?
【タブレット純】その大丸さんは最初タイガースで衝撃を受けて、生で観たと。最初は内田裕也とタイガースで出ていたと。

【坂崎幸之助】ああそう。
【タブレット純】はい、そういう名義で出ていて。
【坂崎幸之助】じゃあ祐也さんも引き連れていたということかな、ファニーズから。

【タブレット純】後々の祐也さんのスタイルでもあるというかMCというか、煽っているような「ヘイ、シェケナベイベー・カモン!」みたいなことを(笑)ずっと言ってる。

で正直ナベプロ側が「アイツ、要るのか?」みたいになってしまったのか。(内田が)海外に行くようになって、その間にタイガースが大スターになっていたという。その間にタイガースは、ヘンな方向というか、完全にいわゆる少女趣味というか…。

【坂崎幸之助】そうだね、衣装から何から。
【タブレット純】後々のタケちゃんマンみたいな衣装にされてしまったのがあって(笑)

グループ・サウンズはロックからムード歌謡曲に…

【坂崎幸之助】やっぱりタイガースがそういう意味では張本人だね、そういうところに行くと。それまでに出ていたスパイダースとかブルー・コメッツなんかは、先輩たちは女子だけではなかったもんね。

【タブレット純】完全に男子の心も。
【坂崎幸之助】バンドが好きだっていうか。

【タブレット純】むしろスパイダースなんかは、結構男子の男性のファンも多かったと聞くんですけども。

GSっていうのは「新しいものを作ろう」という息吹きではじまったものが、結局その作家の作品で、どんどん歌謡曲化されて、ブルコメに至っては最終的にムード歌謡に。

グループ・サウンズは洋楽を日本に伝えるものであったような形態が、タイガースの出現でいつの間にかワケの判らない方向に

【坂崎幸之助】ムード歌謡ですよGSが、みんなムード歌謡に行ったよねあの後。
【タブレット純】パープル・シャドウズの「小さなスナック」あたりから「あれ?」って。

【坂崎幸之助】パープル・シャドウズの次の歌なんかムード歌謡あったよね。
【タブレット純】ああ「ラブ・サイン」。「町のはずれの プラタナスの木に」…。

【坂崎幸之助】嫌だったな俺(笑)でもそれはそれであの時代だよね。
【タブレット純】後に「別れても好きな人」を実は歌ってていたんで。 
【坂崎幸之助】「別れても好きな人」は全然前だ?

【タブレット純】ヒットする10年前にパープル・シャドウズが出していたのもあって。(つづく)

notfaleawaySQ_ad01




notfaleawaySQ_ad01




-MUSIC
-, , , , , , ,

執筆者:

関連記事

矢沢永吉×矢沢洋子 父娘対談(4)「家族とともに生きながら実は裏では矢沢永吉を張ってる」

NACK5の矢沢洋子「generock by yoko yazawa」での矢沢永吉・洋子の親子対談。リスナーの質問から改めて自身の家族について矢沢永吉が振り返りました。 映画ドラえもんへの曲提供から家 …

矢沢永吉×矢沢洋子 父娘対談(5)歌詞を書かない理由「メロディが降りてくるんだって判るけど詞は降りてこないんだもん」

NACK5の矢沢洋子「generock by yoko yazawa」の第2週目。矢沢永吉・洋子の親子対談。今回は歌詞に関する話題です。 【矢沢洋子】今回のミュージックビデオを観せてもらって、ジャケッ …

【対談】細野晴臣×川添象郎『細野さんと語ろう!』トーク YMO海外成功のキーマン川添象郎の破天荒な人生

インターFM「Daisy Holiday!」(2019年10月20日放送)で、 細野晴臣の音楽活動50周年記念イベント『細野さんと語ろう!~デイジーワールドの集い~」』(10月14日)での音楽プロデュ …

上原ひろみ10年ぶりのピアノソロ作発表(2)意外なThe Whoへの傾倒と共演者たちについて語る

ジャズピアニスト・上原ひろみがJ-WAVEの番組「SAPPORO BEER OTOAJITO」に出演。意外にも最近ハマっているというThe Whoについて、そしてこれまで共演したアーティストや関わりの …

矢沢永吉×矢沢洋子 父娘対談(1)「もうこれが最後のアルバムにする」っていうのは決してウソじゃない。

NACK5の矢沢洋子「generock by yoko yazawa」に矢沢永吉が初出演し、普段では聞くことのできない矢沢親子対談が実現した。矢沢洋子のラジオDJ歴11年目にして初の父・矢沢永吉登場の …