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細野晴臣・伊藤ゴローが語るジョアン・ジルベルト(1)

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インターFM「Daisy Holiday!」で7月にこの世を去ったジョアン・ジルベルトの追悼特集。細野晴臣と伊藤ゴローがジョアン・ジルベルトの音楽について語った。

伊藤ゴローをゲストにジョアン・ジルベルトを追悼

【細野晴臣】こんばんは細野晴臣です。先週ジョアン・ジルベルトの特集をそのうちしたいと思ってましたが、早速今日やります。つきましては、伊藤ゴローくんに来て貰ってます。よろしくね。

【伊藤ゴロー】宜しくお願いします。
【細野晴臣】色々なこと教えて貰いたいんです。
【伊藤ゴロー】いやいやいや、そんな教えることは無いんですけども…。

【細野晴臣】いや、あのねゴローくんのギターで浮かれてるんですけどね。
【伊藤ゴロー】いやそんなこと言われて嬉しいですけど、はい。
【細野晴臣】何曲か僕一緒にやってそれでなんだろう…突然「歌ってくれ」って頼まれたんですね。

【伊藤ゴロー】そうですね(笑)。
【細野晴臣】凄い難しい曲(笑)。
【伊藤ゴロー】いや、もう細野さんしかいないなと。

【細野晴臣】あんまり僕そういうのやってないし。お蔭で何かやる気が出てきたというかボサノヴァ。
【伊藤ゴロー】凄い良かったですよ。コンサートも、ライブでもやりましたけどあの時も。
【細野晴臣】そうそう、そうそう。

【伊藤ゴロー】凄いライブでした(笑)。
【細野晴臣】何か誘ってくれて嬉しかったです。
【伊藤ゴロー】本当に来ていただいて光栄です。

ジョアン・ジルベルト2006年の「ライブ・イン・トーキョー」が映像化

【細野晴臣】じゃあねジョアン・ジルベルトが7月6日かな。亡くなったですね。
【伊藤ゴロー】そうですね。

【細野晴臣】お幾つだったんだけっけ。
【伊藤ゴロー】88歳。
【細野晴臣】ん…大往生かな。

【伊藤ゴロー】そうですね。
【細野晴臣】東京に来たときは観に行ったんですか? もちろんね。
【伊藤ゴロー】行きましたね。

【細野晴臣】伝説ですよね。
【伊藤ゴロー】そうですね。
【細野晴臣】最近DVDがでましたよね。
【伊藤ゴロー】出ました。

【細野晴臣】監修してる?
【伊藤ゴロー】いやいや、監修はしていないです。ちょっと中に文章を書かせて頂きました。
【細野晴臣】じゃあ早速何か1曲、挨拶替わりに。ジルベルトさんの声を…。

【伊藤ゴロー】何がいいんでしょうかね。
【細野晴臣】もうお任せしちゃう。一番好きな曲は何なの?
【伊藤ゴロー】何かちょっと最近凄くまた聴き直している曲があって。これは細野さんにピッタリかなと思って。

【細野晴臣】えー、いやいや。
【伊藤ゴロー】これはいいかなと思って。
【細野晴臣】聴かせてください。

【伊藤ゴロー】「UNDIú」(ウンデュウ)という曲なんですけど。
【細野晴臣】ほほう、ピンと僕は判ってないかもしれない。聴けば判ります?
【伊藤ゴロー】聴けば判ります。この白い…。

【細野晴臣】ああ白い「ホワイト・アルバム」と言われているやつ。
【伊藤ゴロー】2曲目の長い曲ですけど。
【細野晴臣】聴きましょう。

ジョアン・ジルベルトの歌「言葉に意味はない」

【細野晴臣】いやあ全部聴いちゃいましたね。凄い。
【伊藤ゴロー】長いですね。
【細野晴臣】このスキャットというかハミングだけで5分くらいやるでしょ。凄いね。

【伊藤ゴロー】そうなんですよね。これと言って何を歌っているというワケではなくて。
【細野晴臣】どんなことなんだろう。
【伊藤ゴロー】「UNDIú」という言葉の意味は全然判らないですね。

【細野晴臣】ゴローくんってポルトガル語できそうな感じだけど。
【伊藤ゴロー】いや全然というか挨拶替わりというか、それぐらいしか出来ないです。
【細野晴臣】ポルトガル語が難しくてね。

【伊藤ゴロー】でも細野さん雰囲気が…。
【細野晴臣】いや雰囲気だけで、本当に判らない。

【伊藤ゴロー】ああ、でも一番最初に細野さんと、ボサノヴァをやった曲覚えています? 「O sapo」という曲でカエルの曲。あれの歌詞も「ゲロゲロ、ゲロゲロ」みたいな。

【細野晴臣】あれは判りやすいというか…。
【伊藤ゴロー】この曲もスキャットみたいな。
【細野晴臣】これだったら大丈夫だな。でもこの曲は難しいよ。

【伊藤ゴロー】難しいですよね。
【細野晴臣】ずっと繰り返して瞑想しちゃうよね。メディテーションしちゃう。

【伊藤ゴロー】これジョアン・ジルベルトが自分で作った曲なんですけど。彼は自作の曲何曲かあるんですけど、少ないんですね。
【細野晴臣】少ない、意外に。

【伊藤ゴロー】初期の頃というか、「Bim Bom」(ビンボン)という曲、はずっと「ビンボン、ビンボン」と曲の半分をビンボンと言ってる曲で(笑)。それも歌詞といった歌詞がなくて、途中で少し歌詞がある…ですけれど。

割とスキャットな曲ですよね。あともっと古い曲で「Ho-Ba-La-La」あれも「オバララ」と(笑)。

【細野晴臣】歌詞を作るのが嫌なのかな。
【伊藤ゴロー】たぶん余り言葉というか…。
【細野晴臣】言葉に余り意味がない。

【伊藤ゴロー】意味がないほうがたぶん彼はいいのかなと。
【細野晴臣】凄く音楽的な人だね。
【伊藤ゴロー】そうですね。

ジョアン・ジルベルトは「なんであんなに音程がいいんだろう…」(細野晴臣)

【細野晴臣】なんであんなに音程がいいんだろうと思っていつも。凄い。
【伊藤ゴロー】パーフェクトですよね。
【細野晴臣】パーフェクト。あと声がトランペットみたいというか…トランペットというか管楽器みたいだよね。

【伊藤ゴロー】楽器のような声ですよね。
【細野晴臣】そういう曲もあるよね、歌い出しが楽器のような。
【伊藤ゴロー】ありますよね。

【細野晴臣】じゃあ、何がいいかな。
【伊藤ゴロー】何か選んでください、細野さん。
【細野晴臣】じゃあ初期の…僕読めないんだよね。「ヒガデ・サウダージ」いいのかな。

【伊藤ゴロー】「CHEGA DE SAUDADE」シェガ・デ・サウダージ(続く)

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