ラジオ日本「真夜中のハーリー&レイス」(2019年11月3日放送)にKIRINJIの堀込高樹が出演。清野茂樹がKRINJI唯一のプロレスを題材にした曲「悪玉」の誕生のいきさつについて聞いた。
プロレスを題材にしたキリンジの「悪玉」のモデルはブッチャー?
【清野茂樹】プロレスというと聞きたかったのが、今更聞きますが(KIRINJIに)「悪玉」って曲があるじゃないですか?
【堀込高樹】昔作りましたね「悪玉」。
【清野茂樹】かれこれ20年近く前ですかね。
【堀込高樹】そうですね。
【清野茂樹】あれがまた、どうして作ったんですか?
【堀込高樹】あれは、「歌詞を書かなきゃいけない」ですよ…曲を作ったから。
【清野茂樹】先に曲を作ったから。
【堀込高樹】そうそう、で「何にしようかな」と思って。でスタジオで待ち時間があったんですねミックスの待ち時間があったのかな、何だかわからないけど。でマンガがあって『プロレススーパースター列伝』ってやつで。
たまたまスタジオにあったマンガ「プロレススーパースター列伝」を読んで
【清野茂樹】いやあ、名作ですよ。バイブルですよ。
【堀込高樹】そうですか。いっぱいあるんですよ、で俺が手に取ったのがたまたまブッチャーの回だったの。
【清野茂樹】それ1巻ですね。
【堀込高樹】そうなんだ(笑)。
【清野茂樹】1から17巻までありまして、1巻がブッチャーなんですよ。
【堀込高樹】それでブッチャーの子供が学校でイジメられるみたいな話が盛り込まれていて、ちょっと泣ける感じだったんですよね。
【清野茂樹】とてもブルージーな感じなんですよ。
【堀込高樹】「あ、これは面白いかも」と思って「それを、じゃあちょっと歌にしよう」と思って。
【清野茂樹】ああ、『プロレススーパースター列伝』にインスパイアされて。
【堀込高樹】インスパイアというかまんまですけどね(笑)。
【清野茂樹】そうなんですよ堀込高樹さん、KIRINJIの曲になんとプロレスの曲を題材にした曲があるんですよ。
【堀込高樹】あれしかないんですけど。
【清野茂樹】1曲あれば十分ですよ(笑)。普通無いですから(笑)。すごいじゃディケイド梶原一騎先生じゃないですか。
僕は全然プロレスはわからなくて…(堀込高樹)
【堀込高樹】ああ、そうですね。
【清野茂樹】ディケイドした曲というか、これ大好き、もちろんビックリして「何でだろう」と思ったら、スタジオにたまたま…。
【堀込高樹】そう僕は全然プロレスよくわからなくて。さっき脇をパンパン鳴らすってのが「古い」ってのがあった。それぐらいの知識しかなくて。(昭和時代のプロレスラー・豊登の脇の下を「パコン、パコン」と鳴らすパフォーマンス)
【清野茂樹】はあ、でも目のつけどころがさすが、で僕がビックリしたのが「悪玉」という曲が確かカップリングだったと思うんですよね。
【堀込高樹】どうだったかな、ちょっと覚えてないですね。あの当時シングルを3ヶ月に1枚だして、そういうことをやっていこうという話だったんですよ。でもカップリングじゃなかったんじゃないかな。
【清野茂樹】違いましたっけ。
【堀込高樹】たぶん。
【清野茂樹】でも1曲目じゃなかったんですよ。
【堀込高樹】1曲目じゃない。
兄弟最後のライヴを「悪玉」で締めた理由は?
【清野茂樹】−で僕行ったんですよ。兄弟最後のライブ、渋谷公会堂の(2013年)。あの時は30曲くらいやったじゃないですか?
【堀込高樹】演りましたね。疲れましたね。
【清野茂樹】そうですよね。
【堀込高樹】身も心も。
【清野茂樹】(笑)心も。まあ特別なライヴですよね。
【堀込高樹】そうですね。
【清野茂樹】観る側にも色々な思いがあるライヴですけど。あれの最後のやった曲って…。
【堀込高樹】あれ「悪玉」演りましたね。
【清野茂樹】そうなんですよ。
【堀込高樹】なんつうのかな、あんまりウェットになり過ぎずに特別過剰な意味を持たせずにライヴを収束させるにはどうしたらいいかなみたいなのを考えて、まああの曲がほら割と軽い曲じゃないですか?
【清野茂樹】うーん、まあ軽いというか何というか。ちょっと切ない。
【堀込高樹】まあまあ歌詞はね。曲調はすごい軽快というか、ライトな感じなんで。こういうのがいいかなと。バラードで終わるのとかさ嫌じゃないですか。
【清野茂樹】ああ、何か寂しい感じ。
【堀込高樹】寂しい感じというか、泣かせに行っているというか。それちょっとイヤらしいと思って。あんまりアゲアゲで終わるのも、白白しい、だからこう普通のテンションで。終わらせるのが、まあこれかなと思って。
【清野茂樹】もの凄いたくさん曲があるのに、そんなかでも一番最後ですよ。いわゆる一つのここで、シーズン1が終わるみたいな。その最終回にプロレスの曲を持ってくるってのもビックリしましたよ。
【堀込高樹】ああ、そうですか(笑)。
【清野茂樹】よりによって。
【堀込高樹】言われてみれば、よりによってですね。
【清野茂樹】(笑)。
【堀込高樹】なんか他にもあったんじゃないかって、そういえば今になって思うかもしれない。確かに。
【清野茂樹】ねえ、随分前の話を掘り起こして申し訳ないけど、気にはなっていたんですよ。
【堀込高樹】いえいえ。(おわり)